2013年1月31日木曜日

2013年1月22日火曜日

雑感。映画秘宝2012年ベスト&トホホ10






「アカデミー賞より参考になるランキング」こと、
映画秘宝ベスト&トホホ10が、今年も公開。

ブレない「らしさ」に心躍ったっす。

ベストは、トップがザ・レイド(またこれも”らしい”)、
以下、ドライヴ、007スカイフォール、桐島、アルゴが入ってた。
10年も秘宝ファンやっていると、どうしても趣味が似てくるもんですな。

007スカイフォールが意外にも人気あるのね。
ストーリーも去ることながら、旧作ファンを唸らせるオイシイ展開が聞いたのか?

トホホは、個人的には「踊るFINAL」だと予想していたけど、
さすが秘宝レビュアー、容赦なくダークナイト・ライジングをトホホ1位に。
そりゃまぁ、期待値からの落差の量で言えばマジでハンパなかったからなぁ。

この三部作パターン、マトリックスを彷彿とさせるかも。
でも、個人的にマトレボはそれ程嫌いじゃないので、
今回のライジングは、
今後の人生に突き刺さるガッカリ経験として、トラウマ化間違いなし。
ただし、このライジング、ベスト8位にも入ってるんだよね。
確かにカッコイイ”絵”ならチョイチョイとあった。暗闇の中に現れるバットポッドとか。
うーん、賛否両論か。

トホホは以下、プロメテウスにハンガー・ゲーム、ボーン・レガシーがランクイン。
まぁ、そうですよね。


あとベストガイ記事で、花くま先生が山田孝之を強く推してるのに共感。
やっぱ彼いいよなー。

2013年1月17日木曜日

2012年公開映画 個人的ランキング


自分が見た2012年公開映画のトップ10を作った。
年に一度のお楽しみ。


●1位 桐島、部活やめるってよ (2月15日レンタル開始)

人生ベスト10に入る程の感動があった。
でも、親戚のおばちゃんは、それほど面白いとは思わなかったらしい。ちょっと意外。
まぁ、ヒエラルキーの下層で生きている前田に共感できるか、
菊池の涙の意味が読み取れるか、
・・・そのへんが作品への思い入れを左右する点なので、難易度は高いのかも。

そういう意味では、レンジの狭い作品かも?



●2位 ミッドナイト・イン・パリ (レンタル中)
●3位 ホビット (公開中)
●4位 ザ・レイド (1月11日レンタル開始)
●5位 ヤング≒アダルト (レンタル中)
●6位 ドライヴ (レンタル中)
●7位 おとなのけんか (レンタル中)
●8位 007 スカイフォール (公開中)
●9位 フランケン・ウィニー (公開中)
●10位 アルゴ (3月13日レンタル開始)


なお、逆に最もトホホだった映画は「踊る大捜査線THE FINAL」でした。


2012年11月1日木曜日

ハンガー・ゲームは気の抜けた炭酸だ

全米で大ヒットを記録したティーン向けサバイバル映画「ハンガー・ゲーム」
設定がバトル・ロワイアルに似ているってことで、
日本では「US版バトル・ロワイアル」なんて表現がされているけど、
雰囲気も作者の意図も、バトロワとはかなり違ってた。
どっちかっていうと、イキガミに近いような。


つまらないわけでは決して無く、ハラハラする箇所も適時盛り込まれてる。
まぁ、娯楽として及第点だ。

・・・のはずなのに、何かしっくり来ない。
やっぱ全体的な雰囲気がヌルくて殺し合いって感じがせず、
非現実的に見えるからかな。
何せ、僕ら日本人は既に「バトル・ロワイアル」に出会っているのだから。

ヤングアダルト小説が原作だから、
入場年齢制限のラインを可能な限り低くしないといけないので、
過激な演出はできないのはわかる。
それを補うため(・・・かどうかは分からんが)現代社会や学園における
諸問題をメタファーとして脚本に取り込む努力をしているのも分かる。

でも、ハンガー・ゲームで描かれる戦闘が「殺し合い」じゃないことは
映画玄人やバトロワ経験者の日本人なら一発で見抜けるので、
どうしてもそこがピンと来ない。

彼らが何を目的に戦っているのかが分かり辛く、(生き残りたいのか、馴れ合って逃走したいのか、等。)プレイヤーの行動原理が掴めないのも問題かも。

うーん、こちらの見方がひねくれてるのかな?





<以下、ネタバレ小言>

とにかく、前半後半通して、コンスタントにヒマ時間があって辛い。
前半なんてウディ・ハレルソンの戦術が上手く行きすぎで終始イケイケなので、
何か釈然としない。

殺し合いが始まってから、生き残り人数が何人かよく分からないので、
緊迫感が伝わらない。鑑賞者に大砲の数を都度数えさせるつもりか? 
特にラストの自殺云々のくだり、
District12の2人が残りの2人って事に気づかなかったし。
そんでもって、あそこで自殺させて「勝者なし!」だと
具体的にどういう問題になるのかわからないので、
ジェニファー・ローレンスの賭けの巧妙さが伝わらないんだな。

スクリプト領域の違和感は原作譲りなんだろうが、困った困った。
まぁ、ヤングアダルト小説はこんなものか。


結論:リアム君が可哀想だぜ、このビッチ!!


2012年10月16日火曜日

アウトレイジ・ビヨンド 〜人付き合いのバランス〜




アウトレイジ・ビヨンド、とても面白かった!




世間では、「前作より格段に良くなった!」という論調が目立つ。
確かに、1作目より「ビヨンド」の方がストーリー展開が良かったかな。

でも個人的には、1作目も「ビヨンド」も両方同じく面白い。
だって、アウトレイジの楽しみ方は、ドラマ性や暴言合戦だけじゃないから。





アウトレイジのウリと云えば、
バカヤロー・コノヤローの連呼連発、そして血みどろのエグい残虐描写でしょう。
ライトな映画ファンがアウトレイジを毛嫌いするのは、
この辺りの表層部分が受け入れられないからだ。


確かに、彼らは異常な世界を生きている。
でもだからといって、彼らの「思考回路」が異常かというと、そうではない。
暴力描写を抜きにして、単純にドラマツルギーだけ追っていくと分かる。
彼ら登場人物は、ヤクザの世界の法則・価値観・人間関係を、
極めて論理的に、理性的に、ビジネスライクに処理してる。

”ここまでやったら、こっちは何をする。”
”こっちは何をするから、相手はどこまでどうする。”
”ここまで来たあたりで、相手の裏をかく”
これら組同士の争いは、国家間の外交や、企業競走を思わせる。
そして、ちょっとでも欲を見せようものなら、瞬く間に殺されるあたりは、
相手への誠意がいかに大事かを改めて感じる。木村だって、欲を見せたんだし。
この微妙な因果応報的な「バランス感覚」が、
狂気の罵声の中に心地よさを与えてくれるんだ。

彼らは決して異常者でもサイコパスでもない。
僕らと少しだけ世界観が違うところで生きている”常識人”なんだ。



いやいや、それどころか・・・
常に覚悟を決め、
日常的に死を想い、
責任を感じ、
ここぞという時に勝負をし、
自らの過ちには潔くケツをまくれる人達が、いかに清々しいかが見て取れる。

逆に、素晴らしい人達だよ。

組同士で騙し騙される展開が怖い?なるほど、そりゃそうだろう。
でも、それは僕らの日常も同じじゃないか。
ウワサ話が好きな近所のおばちゃんが、
見えない所で僕らの陰口をたたいているかもしれないだろう?
会社で、
自分にどのようなレッテルが貼られているかなんて、わからないだろう?
人間みんな、裏じゃ何を言われているか分かったもんじゃないよ。


アウトレイジは、鑑賞者それぞれの「恐怖の日常」のメタファーを含んでいて、
その中で我々が、どのようなスタンスで向きあえばいいのか考えさせられる作品だよ。
(ちょっと救いが無さすぎかもしれんが。)

勿論、脚本を北野監督が書いているからそうなるだけであって、
本物のヤクザの実体なのかは別の話かな・・・。




まぁこんなところだけど、
加えて言うなら、キャラクター性も魅力的。
全員悪人のアウトレイジだが、それぞれの俳優が、
各人の個性をうまく生かした悪人演技をしているように見えて、とても良い。

1作目で言えば、椎名桔平、北村総一朗、
「ビヨンド」なら、花菱側を演じる西田敏行と塩見三省がお気に入り。
両作通じて言うなら、加瀬亮や小日向文世も、自身のキャラとイメージがマッチする。

とくに「ビヨンド」での花菱の2人は強烈に怖い。
塩見演じる中田は、見た目からして完全に本職でしょう。
一方、西田演じる若頭・西野は、
体をユラ〜リと揺らし、首と肩がダルそうに傾いているところが秀逸。
不気味さを感じて寒気がした!

彼らのキャラ性と、丁々発止の暴言連発。
かっこ良すぎるね。
予告編やポスターが、まるでヒーロー映画のように本当に素敵だ!

こんなに良いキャラを作っているのに、
ストーリーが進むに連れて、
主役級の名優達がゴロゴロ死んでいくのは圧巻。(前作も同じか・・・)
でも、もし次回作があるのなら、また新しいきゃストを加えればいいだけの話か。

アウトレイジシリーズは、日本映画におけるエクスペンダブルズなのかもしれない。
名優を消耗品軍団に変える映画ってな。
 

2012年10月1日月曜日

ボーン・レガシー 〜この世は全て相対評価〜


<ネタバレあり>


ボーン・レガシーは、つまらないわけじゃない。
一応、おもしろい。
でも、ボーン・アイデンティティーと同程度。まぁまぁな作品。


ボーン・アイデンティティーは、
マット・デイモン/ジェイソン・ボーンの1作目。
今回も、ジェレミー・レナー/アーロン・クロスに主役が入れ替わって1作目だ。
本作がまぁまぁでも、前と同じ状況じゃないか。


・・・とは、いかないだろうな。
多分、めちゃめちゃ批判されると思う。


本作が「マズい」のは、
シリーズ1作目の”アイデンティティー”以後に続いた、
”スプレマシー”、”アルティメイタム”といった傑作アクションを踏まえた上での、新たなるスタート!!

・・・という位置づけだった点だ。
”アイデンティティー”とは置かれた状況が違っていて、かなり分が悪いよ。
批判に耐えてくれよ?ジェレミー・レナー!!



この”レガシー”。何が悪いって、シリーズの大黒柱たる脚本が悪い。
ボーン・シリーズとしては致命的。
”スプレマシー”以後極まってた「論理・必然・現実感」の神シナリオが、
明らかに劣化してる。


前三部作は、ジェイソン・ボーンの完璧な判断力と戦闘力が魅力だった。
しかし今回、
アーロン・クロスの判断力や戦闘力が完璧なのかどうか、よくわからない。
動機やシチュエーションの描き方が雑で、
観客が状況を掴み切れない状態のまま話を進めてしまうから、
アーロンがどれだけ凄い判断力と戦闘力を見せつけても全然伝わらないんだ。


例えば、
アーロン・クロスの行動動機である薬のくだりとか明らかに説明不足・伏線不足だし、
リック・バイヤー(エドワード・ノートン)の設定や位置づけがピンとこないし、
研究所で暴れた所員の説明が雑すぎるし、
アーロンを追う敵工作員が、全然怖くない。つうか、白い歯見せながら怒って追跡する姿が人間兵器に見えずショボイ。「ボクチャンもう怒ったぞゾ!」って言ってる気がするんだもの。スゲー小物っぽい。
etc....

こういう細かいツッコミどころは、どんな良作にも1つ2つはあるものだけど、
多くなればなるほど、観客はついていけなくなり、
ストーリーが観客を置き去りにしてしまう。
だから無視はできない。

監督のトニー・ギルロイって
”スプレマシー”や”アルティメイタム”で脚本やったはずだが。
監督業やって、ヘンな折り合いつけちゃったのかな?
やっぱりポール・グリーングラスの帰還を願うしかないか。(・・・無理だろうな)

つまり、
ボーン・レガシー凡作になってしまったのは、裏方の責任だ。
しかも、前三部作との比較の結果、相対評価としての凡作。


だから・・・俳優陣は悪くない!
ジェレミー・レナー自身はしっかりやっててカッコ良かったと思うし、
レイチェル・ワイズも、さすがオスカー女優だと思った。

まぁ、レイチェル・ワイズ/シェアリング博士のパニック演技は正直ウザイけど、
あれも脚本のせいだ。
彼女の心の傷を大して描いていないクセに、パニックシーンだけ妙に長くて、
クドイんだ。


あー、この感じ、ダークナイト・ライジングと同じだ。

このやるせない感の矛先を何処へ向ければ・・・?