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2012年5月28日月曜日

プロメテウス対策講座「エイリアン」


今夏公開の「プロメテウス」の予告編から垣間見る完成度の高さに触発されて、久々に「エイリアン」を鑑賞。

過去、自分が最も触れたエイリアン作品は、なぜか「3」。(フィンチャー大好き)
1作目は、幼い頃に1度だけTVで鑑賞したのみであったため、ほとんど記憶から消えていた。今回復習したことで、プロメテウスが通常の3倍楽しめるようになったと思う。少しでも1作目の記憶が薄らいでいる人は、是非直前に復習してみるといいと思う。


>予告編の類似 (エイリアンとプロメテウス)

興味深かったのは、、DVD特典として収録されていた「エイリアン」公開当時の予告だ。



そして、次が、昨月公開された「プロメテウス」の予告。



雰囲気が超似てる。終盤で繰り返し発せられる、何とも表現し難い怪音は、全く同じモノだ。


>スペースジョッキー(コレの存在すら忘れていたミーハーな自分・・・。)
 そもそもエイリアンとは、リプリーの乗る”ノストロモ号”の船員が、とある惑星で”謎の宇宙船”を発見し、その船内で遭遇してしまうもの。その宇宙船には、乗員と思われる”謎の巨人”が、椅子に座ったままミイラになっていた。このミイラは、”スペースジョッキー”と呼ばれている。
 「エイリアン」DVD特典には、1999年に新録した、リドリー・スコット監督のコメンタリーが収録されている。そして(ミーハーとしては)驚くべきことに、スペースジョッキーのミイラ発見のシーンにおいて「いつか、エイリアン5と6を撮りたい。この作品では、”彼ら”がどこから来たのかを明らかにする。エイリアンとは、彼らの生物兵器である。」との構想を語っていた。
 というかそもそも、エイリアンの卵を遮蔽するレーザーバリアー等の設備からして、1作目の描写で既に”完全生物たるエイリアンが、スペースジョッキーの管理下にあったもの”であることが、明確に描かれていると言える。

 プロメテウスでは監督の宣言通り、そのスペースジョッキーの正体が描かれることになっている。プロメテウスの予告編には、謎の巨人が画面に写っていて、エイリアンでノストロモ号の船員が見つけたミイラが座っていた座席までもが確認できる。
つまり今回のテーマは、
・スペースジョッキーの正体
・エイリアンの正体
・ウェイランド社がエイリアンの存在を嗅ぎつけた経緯
・スペースジョッキーと人類の関係・・・。
といったところだろうか。

 長年温めてきた構想を、リドリー・スコット監督がガチ本格SFとして映画する本作。尻すぼみとなったエイリアンシリーズに一石を投じ、初代が放つ魅力、すなわちSFとミステリーが共存する壮大な世界観を復活させ、エイリアンをリアルタイムで見れなかった我ら若い世代を興奮の渦に巻き込んでくれることを期待したい。


 ちなみに余談。プロメテウスは前後編によって構成されるという事前情報もあり、後編はエイリアンシリーズと同様ジェームス・キャメロンが「メガホンをとる」なんて発言し、衝撃が広まったこともあった。(後にジョークと判明)
 さらに余談。当たり前ながら、初代エイリアンでのシガニー・ウィーバーが若くて美しいよ。


2012年5月26日土曜日

臭いゴミ箱のフタをあけろ!「ある戦慄」

町山智浩氏のトラウマ映画館で紹介されていた映画「ある戦慄」がDVD化されてTSUTAYAに並んでいたので、さっそくレンタル。これはとっても後味の悪い映画だ。

<ストーリー> ーamazonより抜粋ー
”ニューヨーク・ブロンクス。夜の街を闊歩するジョーとアーティのチンピラ二人組は通行人を暴行して小銭を巻きあげると、マンハッタン行きの地下鉄に乗車する。そこには幼い少女を連れたウィルクス夫妻、アリスとトニーの若いカップル、年老いたベッカーマン夫妻、教師のパーヴィスと美人の妻バーサ、白人を憎んでいる黒人アーノルドとその妻、同性愛者のケネス、休暇中の陸軍一等兵などが乗っていた。ジョーとアーティは乗客をからかい始める。ドアが故障して他の車両へ移動できないため誰も逃げられない。すると乗客はチンピラに挑発され、日ごろの鬱憤を爆発させ、感情をむき出しにし、互いにののしり合い始める。調子に乗った2人は少女に手を出そうとする。そのとき、ついに立ち上がって彼らに対決を挑んだのは意外な人物だった……。”

 暴力シーンはほとんど無く、ただひたすら精神をえぐるので、スカッとする場面がほとんど無い。乗客同士の喧嘩もあるのかと思っていたのに、他人がチンピラに絡まれるのを皆が見知らぬフリだし、なおさら気持ち悪い。その上、暴力や乱闘が無いので、観客の鬱憤を晴らす所も存在せず、全くスカッとしない。映画のプロローグの中で、予めチンピラの怖さを説明しているので、「こいつら何をしでかすか分からないぞ・・・」という印象を持たされた。だから暴力が無くても不安で仕方なくなるのだ。

でもこの映画は、とっても価値のある映画だよ。

 人が他人に見せまいと隠してしまう本音、本心、裏腹を、包み隠さず、オーバーでもなく、ストレートに描いている。これを見ると、「もしや、自分もこうなってしまうんだろうか?」と考え、落ち込んでしまうんだ。
 残念ながら、こういう汚い一面はどんな人にもある。普段はキレイ事を言ったり、自分の自身や実力、道徳観を信じてしまうことが多いんだけど、いざ危機的状況に陥ると、何もできないどころか、無様な自己保身、逃避行動をとってしまう。そんな弱い生き物なんだろうな、人間って。
 でもこういう映画を見ておくことで、そんな自分の弱々しい部分に目を向けることができる。弱さを理解することで、無闇にプライドを持つことを防げるし、何かに遭遇したときにどういう行動をとることができるのか、自分にできる事は何なのか、シミュレーションしておくことができる。

 もっともっとこの映画が広まればいいのに。


2012年5月12日土曜日

SpaceBattleShipヤマト


遂に見た。実写版ヤマト。

・・・。

「意外に楽しめるよ?」なんて評価もチラホラと聞いていたのが、、、ちょっとなぁ・・・。

CGは凄かった。
でも、ストーリーはリアリティに欠けていたし、各シチュエーションごとにお決まりのベタベタな会話が展開されるばかり。見たことあるようなシーンを繋ぎあわせて一本の映画を作ったような感じがした。監督は山﨑貴監督。この人、三丁目映画から全く成長していないじゃないか。いっつも記号やアイテムに頼ってシナリオを作っててさ・・・。もっとオリジナリティある脚本を責任持って書かろって。記号を使うなとは言わないけども、それならそれで楽しませてもらわないと。

制作スタッフを見ると、プロデューサーとか製作担当の人間が20人ぐらいいるんだ。もう明らかにTV関係者の利権構造を反映してるよ。ネタ主導で金儲けしようとする連中なんだろうね。嫌な感じ。

DVDレンタル料金200円と、僕の休日2時間を返してくれ。


2012年2月20日月曜日

日本未公開「マージン・コール」


以前取り上げたマージン・コールが、今年のアカデミー賞の脚本賞にノミネートされた。



ストーリー −Amazonより抜粋−
”2008年、ニューヨーク。ウォール街の投資会社で大量解雇が始まった。解雇対象となったエリックは、アナリストのピーターに「用心しろよ」と意味深な言葉を残しUSBメモリーを託す。原子物理学の博士号を持つピーターは、その部署でリストラから生き残った数少ない1人だった。その夜、エリックから引き継いだデータを調べるピーターは、会社倒産をも招く危機的事態に気付き上司のサムに報告すると、深夜、緊急の重役会議が開かれることになる。8兆ドルもの資産の命運を左右しかねない状況で、彼らは経済的・道徳的にも崖っぷちに立たされることになっていく。決断の時は、刻一刻と迫ってきていた・・・。”



 ドキュメンタリー「インサイド・ジョブ」は、実際の金融商品のメカニズムについて解説し、理解した前提で話が展開するせいで、なかなか難解なストーリーになっていた。でも本作は、内容理解において複雑な金融知識はそれほど必要ない。「人は、自らの行いに起因して引き起こした絶望的危機に直面したとき、どんな心理に陥るのか、何を第一に考えるのか」といったコトを中心に描いた、あくまで「人間ドラマ」だった。
 金融危機の背景がある程度わかっていないと、この恐怖感は伝わらないかもしれないけど、もし予備知識がある程度あるのであれば、カナリ楽しめる・・・じゃなくて、ウォール街の連中に対する腸煮えくり返る思いを堪能できる。

 シナリオのテンポはソコソコGood。翌朝訪れる恐怖の瞬間に向けての対策を夜通し行う緊迫感が良い。まるでテスト前夜に徹夜でテスト勉強をしていた時代に経験したような、異様な高揚感を味わえる。
 怖かったのが、デミ・ムーアとサイモン・ベイカーがエレベーターの中で、掃除のおばちゃんを間に挟んで会話をしているシーンだ。おばちゃんの存在に気付きつつも、それを眼中に入れず、社長に責任追求された際の対応について話し合っていた。この期に及んで、自らの保身に走り、下々の人間には気にもとめていない感じが象徴的に描かれているシーン。寒気がした。

 ラスト。社長のやり方を嫌悪し、退職を検討するも、カネのために会社に残る決断をしたケヴィン・スペイシー。彼は離婚しているが、最期、唯一の家族だったと思われる愛犬を亡くしてしまう。悲しみにくれる彼は、この先どんな人生を送ることになるのか。 結局、カネは人を潤すものではなく、本質的幸福は他にあるんだと思った。

 ところで、序盤にエリックへ解雇通告を行った人達は、「マイレージ・マイライフ」でジョージ・クルーニーが演じていた「リストラ宣告人」のような人だ。本当にあるんだ、ああいう職業。


2012年1月22日日曜日

これが見たかった


三池版「十三人の刺客」

斬って斬って 斬りまくれええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!



US版予告編の方がかっこいい。

全編通して、集中力が切れなかった。最高なり。
老若男女すべてにオススメ出来る映画ではないが。


タネを明かしてみると、オリジナル版からの設定の時点で既に、七人の侍の二番煎じだよね。「民を守るために、腕の立つ仲間を集め、頭脳を駆使し、命を賭して立ち向かう」という広い意味で。あのテの作品は、個性豊かなキャラクターへ「思い入れ」ができてしまうので、脇役がすごく生きる。映画に出てくる人々みんなが好きになって、興味の対象が広くなる、やがてそれが「作品が好き」と同義になっていく、みたいな。
映画におけるテッパンかね。


別にそれが悪いわけじゃない。面白いんだもの。
昨晩見た「スカーフェイス」の感想を、見事かき消したわ。


2012年1月17日火曜日

市民ケーンの価値


映画史上最高傑作とされる「市民ケーン」
なんと、70年前の1941年発表の作品。


先日初めてみたけども、かなり面白かった。
テンポよく話も進むし、サスペンスフルに展開するストーリー自体も優れている。
とても70年も前に作られた映画とは思えない。

 現代の映画に慣れてしまっている自分の立場からしてみれば、歴代映画No1とは必ずしも言えないと思う。オーソン・ウェルズが凄いのは、「世界最高の映画を作ったこと」というよりも、「1941年の時点でここまで素晴らしい作品を作り、後の映画に多大な影響を与えた事」ではないかな。
 発明で例えるならば、蛍光灯やLED電球が普及している現在でもエジソンが発明王として神格化されているのに似ている。この映画で表現されたものは、間違いなく現代の映画の基礎であり礎だね。

2012年1月9日月曜日

電車でレイチェルがはぐれ者に・・・


感想をさらさらっと。<すべてネタバレ注意>


●レイチェルの結婚 (米 4.4/5.0点)


 これはホント良作だった。終盤の展開に圧巻。
 主人公キムは、姉レイチェルを始めとする家族によって心を深く傷つけられた。自暴自棄になった彼女は家を飛び出し、自動車で事故を起こし、体すらもボロボロになる。しかし、そんな彼女が助けを求めて向かった所は、結局は家族の元だった。そして、あれだけキムを憎んだレイチェルも、心も体も傷ついたキムを見るなり、優しく迎え入れ、結婚式に参加させた。どんなに心が離れていても、理屈も理由も必要なく助け合えるのが、家族なんだね。
 映画のほとんどの時間で「家庭崩壊」を描いておきながら、ラスト15分程度だけ「家族愛」をサラッと描いただけで、矛盾無くハッピーエンドを描けていたところがとても上手いと思った。カメラが終始ブレブレだったけど、ホームビデオ的な演出のつもりだったんだろうか。



●RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ (日本 3.7+0.3/5.0)


 「面白い」との評判を聞いたので見てみたところ、確かにおもしろかった。話の内容自体は特に目新しいものじゃないし、シナリオ展開にひねりがあったわけでもない。でも、「ちゃんと映画をつくろうとしている一途な姿勢」が何となく伝わってきて良かった。全体的に丁寧だったからかな?その姿勢が嬉しかったので、ボーナス0.3点。今年はこの調子で邦画も見ていこう。


●エグザイル/絆 (香港 4.0/5.0)


 マフィア男の友情系映画。本当にソレだけの映画。賛否両論あるようだけど、それも已む無しか。油臭いヤクザが好きな人には最高の映画だし、興味のない人にとっては退屈でしかない映画。自分は比較的前者に近いので、そこそこ楽しめた。
 クライマックスの銃撃戦の直前、死んだウーのために、ウーの妻子を敵の館から逃げさせ、アンソニー・ウォンと死を共にするために館に残った仲間達に鳥肌。これぞ男のロマン。アンソニー・ウォンはホントかっこいいな。


2011年12月26日月曜日

イージーライディングなタンタンの頭はイレイザーヘッド


<ネタバレ注意>


今回の連休で、3本の映画を鑑賞したので、少しずつだけ簡単に感想をまとめる。


●イレイザーヘッド (デヴィット・リンチ監督 TSUTAYAレンタルにて。)
 もう、最初からワケがわからなかった。完全のアートの領域を行った作風。全編通してモノクロ画面。セリフは少なく、感性を逆なでするBGMや効果音が終始襲いかかってくる。全部見終わったあと、なんとなくリンチ監督のやりたかったことがわかったような、わからなかったような。
 リンチ監督はそもそも気持ちの悪い物を表現したがる人なのかな。重要なのが、ただ気持ち悪いんじゃなく、我々のすぐ近くにあるのに、眼を向けていないもの、若しくは目を向けるのを避けているものであることかと。
 今後、要分析。

●イージーライダー (デニス・ホッパー監督 TSTTAYAレンタルにて。)
 名前だけしか聞いたこと無い作品だったので、本編のオープニング時は、「お、この映画はロードムービーか。」なんて事を思った。でも見終わった後、その見立てが間違っていた事に気づいた。この2人のラストの何とも虚しいこと。この「やるせなさ」は何?メッセージはアンチドラッグ、アンチヒッピーなのか、アンチマネーなのか。うーんやっぱり前者か。ただ当時のヒッピー文化に全く触れていない身としては、感覚としての理解に苦しむ。
 あ、一言付け加えると、ジャック・ニコルソンが脇役なのにキャラ立ち過ぎ(笑)

●タンタンの冒険〜ユニコーン号の秘密〜(スピルバーグ監督 映画館にて。)
 映画館で鑑賞。12月公開の作品だったけど、字幕版は既に1日1回上映という、慈悲なきスケジュール。スピルバーグらしいドタバタ系アクションが光った佳作。ストーリーはすごくテンポが悪くて、山がどこなのかわかりにくく、消化不良になりやすい。そういうところじゃなく、アクションを楽しむべき映画として観た方がいいかも。CGならではのカメラワークで視点をグリグリ回してくるところには興奮。ただし、実写映像じゃない分、ちょっと迫力は落ちてたと感じてしまい、残念。エクスペンダブルズ2に期待を寄せる趣味を持つ自分としては、血と汗が見たいわけなので。
 ま、これは子供も楽しめる映画として作られているので、そこに期待してはいけないのだけど。