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2012年4月17日火曜日

アプローチ <泥酔投稿>

ここに一枚の紙があるとする。

この紙を、右から左に向かって幅方向2/3までビリビリ破る。定規を使わず、フリーハンドで。
すると、破れた線は蛇行して、多分上か下に偏る場合が多い。

では今度は、左から右に幅方向2/3までビリビリ破る。定規を使わず、フリーハンドで。
すると、破れた線は蛇行する。上か下かに偏る。

このとき、右からの敗れ目が上に蛇行したと過程する。それに対し、左からの破れ目は、上に行くときもあれば、下に行くときもある。
左からの破れ目が上に行ったなら、右からの破れ目に到達して、上端と下端の2つに紙が破断する。
逆に下に行ったなら、右からの敗れ目には到達せず、破断しない。
縦方向から見れば、紙の幅の中心1/3で、右からと左からの破れ目が重複している箇所が発生する。

物事を思考するにあたり、目的をどう定めるべきか、というアプローチと、なぜそれをするのか、というアプローチは、スタートが対極地点のものであり、かつ論理の進行方向が全く逆の方向なんだと思う。
だから、目的は何か(What?)の論理構築と、なぜ(Why?)の論理構築とが、歩み寄るんだけども、必ず同じ論理ルートであるとは言えない。言い換えると、論理構築のルートが交わるとは限らないと思う。

よって、着想のスタート地点こそ、発想・個性の形成を担う大きな別れ目になり得るのかなと。
では、WhatかWhyか、どちらを出発点とすべきか。
自分はWhy派だ。

2012年1月20日金曜日

にくのに 覚書


メモ。



29条の2について。



拡大された先願範囲の規定は、発明者が同一である場合は除外される。
この前提のもとに、以下のケースを検討する。



Zさんが、発明イを出願。
  ●発明イ=(a+b)+c ※右辺全部は、明細書記載の範囲、()内は請求項



6ヶ月後、すなわち発明イの公開前、Zさんは発明イの改良発明ロを出願。
  ●発明ロ=(a+b+d)+c ※dは改良事項
 



5年後、発明イについて、特許庁より拒絶理由通知を受領。(29条1項、2項)
補正を行った結果、
発明イ=(a+b+c) としてcとの相乗効果を主張。


拒絶理由通知対応より数カ月後、発明イに特許査定が送達された。





その数日後、発明ロについて拒絶理由通知を受領。(29条2項)
補正を行った結果、
発明ロ=(a+b+c+d) を補正後の請求項とした。




ここで、発明ロは、原則どのように審査されるべきか。




29条の2によれば、発明ロは、発明イを拒絶引例として引くことはできない。
すなわち、発明イの公開によって、公知技術となっている「a+b+c」については、発明ロと同一発明者かつ公知技術化前に出願されたものであることから、発明ロの審査において先願範囲は拡大されず、新規性は喪失していないと認定されるものである。

加えて発明イは、審査の結果、特許査定が下りている。よって、発明イ=(a+b+c)の内容は進歩性が認められ、特許要件を満たすものである。

発明イの改良発明ロは特許要件を満たす発明イに対し、改良d加えたことによるの下位概念発明であるため、発明ロ=(a+b+c+d)は、論理的には特許を受けるべき発明であると推察される。



ただし、現実の実務上はそうは行かず、
審査官も違えば、進歩性判断の審査基準の裁量も、それぞれサーチ・スクリーニング・ピックアップされる引用文献も異なる。

よって、発明イが特許査定となり、発明ロが拒絶査定を受ける事も、起こりうるものである。



2012年1月15日日曜日

米国特許法改正について小言メモ


 昨年9月にオバマがサインした改正法案は非常に広範囲に渡る内容を網羅しており、一言で言い表すことはできない。シロートなりに記憶している部分のアウトラインをまとめてみる。

 最も注目されるのが、§102、つまり発明の新規性に関する概念の刷新だ。主要新聞での報道によると、アメリカのローカルルールである「先発明主義」が、世界標準である「先願主義」に移行したとザックリ表現されたようだが、これは正確には間違っている。実際には、先発明主義と、先願主義の中間に位置する考え方が採用されていて、先願主義に慣らされている我々にとっては非常に判りづらい。ホントにホントに判りづらい。発明者が誰か、発明が何か、どの段階で発明したのか、どの段階で開示が行われたのか等々、特許要件において考慮されるファクターは多く、それによる判断も多数に分岐するので、頭がごちゃごちゃになってくる。ま、これまでの§102も日本実務に慣れた自分にとっては複雑ではあると思うけど。

 今回の改正には30を越える項目があるが、それぞれ発行日が異なる。オバマのサインによって即日発行されたものもあれば、1年後のものもある。上記新規性に関する規定なんかは、18ヶ月後だ。これは、改正の目的が影響しているだろう。
 世界標準との連携や、法目的の根本治療にあたるものについては時間をかけて改正を図っていくようだが、早急に対策が求められている問題を正常化することを目的とする改正は、発行が早い。主なものは、パテント・トロール対策に関する項目だ。これは早急に被告側を救済しなければならないことから、即発行された。今回の発行によってパテント・トロールを主業務とする連中が不利な状況になるため、発行前に訴訟を起こして旧法による判断をさせようとした輩が、オバマのサインの直前に滑り込み提訴をして、訴訟件数が短期間に急激に増加したらしい。まぁ、それもやむなしか。
 
 こんな感じに、新法発行以前の出願・提訴は、旧法が適用され続ける。つまり、今後何十年は、旧法の下に審査・裁判が行われる案件が星の数ほど存在することになる。よって今すぐ手元の法文集や実務ガイド本を捨ててはいけないし、旧法の知識が今すぐ必要無くなるわけでもない。

にしても、覚えなきゃいけない事が多くなるのは、めんどくさいね。




2011年12月28日水曜日

2011年 仕事納め

本日にて、全出勤日程を終了、仕事納めとなった。
思えば、豊橋へ転勤になって、早1年。時間が経つのは早い。

 知財実務担当としてのこれまでを振り返ると、昨年は知識備蓄の期間、今年は知識活用の期間だったように思う。知識は使ってこそ脳内に染み付くものだってことを身をもって感じた。

 ただし、1年分の備蓄なんて大した量じゃないので、早々に限界を感じたのも事実。では、それを克服するために来年みっちり知財の勉強をするのかと言われると、Noだ。

 実際のところ、普段の知財実務において、「いざという時」はそれほど多いわけではなく、日常的に業務をこなす分には現状の知識さえあればナントカ回せるのだ。質に差はあるにしろ、だ。分からないところは弁理士さんに聞けば判断できるわけだし。
 で、そこから先に何を勉強するかは、自分が今後どういう人生を歩みたいのかを考えた上で、時間の使い方をよく考えて決めるべきだと思ってる。言い換えると、知財実務で死ぬまでメシを食うつもりが全く無い以上、これ以上知財マンに染まっても損をするだろう、ということだ。 自分が興味を持てるのは、やっぱりエンジニアとしての仕事だ。その思いは昔も今も変わらない。
それならば、知財を続ける理由は本当にあるのか?これ以上知財実務を続けてもムダになるだけではないのか?

 いや、理由はある。すごく大きい理由がある。

おそらく知財業務全体に言える事だろうが、知財実務というのは明確なゴールが無い分、ある意味で、「自分で好きなだけ仕事ができる」という面を持つ。つまり、自分が正しいと思うことを決定できる風土と、それを突き通せる風土がある、ってこと。

 この感覚は、たまらなく快感だ。おそらく世の起業家達も、こんな気持ちで自らの事業を立ち上げるのではないか。自分の信じた道で社会を生きていけるというのは、本当に幸せだ。
 業務命令に従って仕事をすることは大事だし、お客さんを満足させてこそ仕事だとも言える。でもここには、それとはまた別の、生きている、自立している心地よさを感じることが出来る世界が広がっている。起業家がなぜ企業するのかがよく分かった、というのが最近感じた事だ。

 この先、いつエンジニアに戻るのか、もしくはナナメ上を目指し、会社を辞めて起業でもしちゃうのか、まったく予想できない。ただ、今やっていることは、自立した人間として生きていく上で大切なことを学べるし、あと1年それを繰り返せることは、とても幸せだと思っている。自分は、正しいを思ったことをこれからも業として行なっていく。

 2011年の総括および2012年への抱負は、そんなところだ。


2011年12月15日木曜日

パテントマップを使うということ。

パテントマップを有効利用しよう、なんて文句は、知財界を生きる人間ならば耳が痛くなるほど聞かされている。パテントマップさえあれば、他社の技術動向が、上手く行けば企業戦略だってわかってしまう時がある。

こう言ってしまえば、「それは使わない手はない」と誰しもが飛びつくだろう。それが普通の企業人のはず。

でも、実際にパテントマップを有効活用できている人がどれほどいるんだろうか。
叫ばれている=まだまだ浸透しているとは言えない、 という図式が成立しているのではないかと自分は持っている。

どうしてこんな美味しい話が先に進まないのだろうか。

恐らく、皆が同じステップでつまずくからだと思う。同じステップとは則ち「どう有効活用しようか、どうすれば有効活用できるのか」というステップのこと。これを具体的に検討するのが、非常に難しいんだ。

なぜなら、知財は一定の方式や指針でもって教科書的・手順書的に活用できるものではないからだ。それは、会社によって必要な情報が異なるためである。
というより、「会社が属する事業分野によって必要な情報が異なる」と言うべきだろう。


既に一般論なのかもしれないが・・・、
企業が知財をどれだけ重要視するかを左右するのは、企業の考え方より、市場の風土に影響を受けるからだと考えている。
そして、事業戦略として知財を取り入れる場合、パテントマップを利用するならば、
マップ化して確認すべき事項が、市場風土にそって大きく変わってくるのだ。

事業戦略として取り入れることができるパテントマップとは、決してパテントオンリーマップではない。他社の売上、受注状況、力関係など、企業風土を反映しマージさせた総合情報と織りまぜて知財情報を提供することで、初めてパテントマップは活用できる形になると考える。
言い換えると、企業ごとの出願内容や出願件数推移を検討したところで、戦略に取り込む形になっているとは到底いえないということ。

「そこから先は営業や経営が考えることであって、我々は材料を提供すればいい」なんて言う人もいるかもしれない。
しかしそうやって相手に歩み寄らせようとしても、寄ってきてくれるわけがない。
(そのくせ知財問題が起きると、知財部の責任として叱咤されてしまうという・・・。)

知財の人間はこういう場所でも知らないうちに狭い殻の中に閉じ困ってしまうのだ。
いいかげん、仲良しの馴れ合いから離れ、自らが良い方向に動き出せるようにしないといけない・・・。
パテントのことばかり考えたって、戦術なんて組めないわけだ。マップで情報提供するなら、情報提供される側が、その情報でもって事業を良くすることができる姿をイメージできないと。

2011年12月8日木曜日

長閑な療養地

  by SOL0721
, a photo by SOL0721 on Flickr.

昨日は伊勢出張。

せっかく三重に行くんだから・・・ということで、伊勢への移動時間を使って、久居で入院中の上司のお見舞いに行ってきた。


病院はとっても山奥に建っていて、お見舞いのはずが、軽く紅葉見物してしまったよ。

上司は思ったより元気だったので何より。
ただ頭を打ったせいか、俺の顔を見ても名前を思い出せていない雰囲気があった。



2011年12月6日火曜日

Grace Periodと30条

米国実務に触れる機会が何やら徐々に増えてきて、覚えなくちゃいけない文言が増えてきた。

Grace Period

直訳すると、「猶予期間」。
とある発明が搭載された製品を、出願前に出荷してしまい、公知技術化したことで、新規性を喪失してしまったケースについての救済措置を定める規定だ。

日本における新規性喪失の例外規定は30条において定められていて、出願より過去6ヶ月以内かつ指定の学会・博覧会等で、本人による発表があった場合のみ、然るべき手続きによって新規性喪失を回避することができる。
(先日の法改正で、指定の学会発表ではなく、製品出荷等であっても、同様の手続きによって新規性を喪失回避可能になったらしい。)

で、米国特許法における例外規定として対応するのが「Grace Period」という規定。
米国特許法では、与えられる猶予期間が12ヶ月と非常に長い。しかも喪失理由問わず。これは有り難い。なんでこんなに長いんだろうか。

まぁ勿論、その都度諸経費が発生するので、救済措置云々言う前に、出荷より先にとっとと出願をしてしまうのが最も望ましい。

しかしこの解釈、先発明主義から先願主義への移行が確定した影響で、少し事情が変わるんじゃないだろうか。つうか、そもそも参考書を読まずに曖昧な事書いてちゃダメだよな。
あした確認しよう・・・。