2012年3月31日土曜日

ドキュメンタリー映画「いのちの食べかた」


自分は、ドキュメンタリー映画を楽しむのは結構苦手だ。
ウォール街の裏を暴いたインサイド・ジョブは楽しめたけども、華氏911とか、スーパーサイズ・ミーなんかは、なかなか話に入り込むことが出来なかった。

でもこの「いのちの食べかた」は違った。
自分が映画館で見たドキュメンタリーの中でも一番衝撃を受けた。



概要 −allcinemaより抜粋−
"オーストリアのドキュメンタリー作家、ニコラウス・ゲイハルター監督が、我々が普段なにげなく口にしている食物が、実際にどのような過程を経て食卓に届くのかを丹念に取材・撮影した食育ドキュメンタリー。世界中の食糧需要を満たすため、野菜や果物ばかりでなく、家畜や魚でさえ大規模な機械化によって効率的に生産・管理されている現状を踏まえつつ、さまざまな食物の生産現場に入り込み、業界の不文律により撮影が許されることはほとんど無いという屠畜シーンを含め、1つのいのちが人間の食物へと姿を変えていく過程を、詳しい説明やナレーションを排し、ただありのままに映し出していく。"


 牛の解体工場。牛がコンベアによって流れてくると、作業員は牛に電気ショックを与え、あっという間に屠殺する。そして手際よくフックに引っ掛けたり、皮を向いたり、頭や手足を切り落としたり・・・。まるでクルマの生産ラインのような神業だ。何が起こっているのか分からないくらい素早い工程ばかり。これはショックだった。魚なんて、自動ロボットナイフが腹部へ切込みを入れ、内臓をバキュームで自動吸引していくんだ。なんという高効率。命ある存在なのに。頭がおかしくなりそうだったのを、今でも覚えてる。

 でもその様子を「残酷だ」と否定することがどうしてもできない。
 見た当時も、今も。

 なぜなら、例えば今日は、自分は魚のフライを食べたから。
そして先週はマクドナルドのハンバーガーを食べたから。
すなわちその「残酷さの恩恵」を日々受けているという実感が有るからだ。

 この映画を見て、「生きた牛とハンバーガー」が同じ物体であることを初めて本気で認識できた。僕ら人間は、「牛肉」という食材ではなく「牛を殺して得た、牛の体の肉」を食べているんだ。

 とはいえこの映画には、それを「命を軽んじた工程」だと批判するような描写は無い。屠殺を極端に強調することもなく、ただ淡々と、その「効率化された食材生産」の映像を映し続けているだけだ。
 なぜか。
 それは多分、どうにもならないからだ。
 増え続けた人口を、社会を、経済を維持し続けるために、この「超効率化された食材生産」を、やめるわけにはいかないから。我々人間は、既に社会と一体化した生物なので、こうでもしないと社会的生活どころか、個体生命を維持することもできないからだ。スーパーで赤身の刺身を買ったりレストランでステーキを注文できても、魚や牛を捕獲・解体することはできないもの。だから、もう人類は後戻りできないんだ。

 この映画は、「僕の命を支える幾万もの命」といった安易かつお涙頂戴なテーマが主じゃないと思う。それよりも、もっと広い視野で見て、「食材という名の"プロダクト"の仕組み」を可視化し、我々が多い隠してきた人間社会の土台を認識させ、それを正面から見つめた上で社会を回していこうとするの目的なんだ。

 そういう意味では、邦題の「いのちの食べかた」という名前はテーマを歪めている。英題の「OUR DAILY BREAD」の方がしっくりくると思う。

 よって映画を見たからといって、食事中に感謝をしろ、祈りを捧げろとヒステリックに強制する気にはなれない。ただ、ふとした瞬間だけでもいいから、我々の社会に隠されてしまった、動物・植物と食材の間を繋ぐミッシングリンクの事を思い、社会を違う視点で見てみるといいんじゃないかなと思わずにはいられない、そんなドキュメンタリーだった。



2012年3月30日金曜日

本日の一句。



凝り性と  優柔不断は  紙一重


凝らず譲らず 決断すべし




反省反省。

2012年3月29日木曜日

コーヒーで天気予報


コーヒーを使うと、
その場所で近いうちに雨が降るかどうか、
予想することができるそうだ。

以下、抄訳・・・。



”天気予報士の予想は信頼できないって?
そんなあなた!この方法を試すと良いかもしれません。
雨を予測するのに必要なのは、朝のコーヒー一杯だけなんです。

BackpackerMagazineによると、
これはバックパッカー達の間で使われている裏ワザなんだそうですよ。


・・・まず、カップにコーヒーを注ぎ、表面の泡を注意深く観察します。

もしその泡がカップの中央に集まっていたら、
高気圧がコーヒーの表面中央にその凸をつくらせていることを意味するので、
良い天気になる可能性が高いです。

しかし、泡がカップの側面でリング状に形を作っていたとしたら、
あなたは低気圧の中にいるはずなので、
雨が降る確立が高いでしょう。

このワザは、野外撮影なんかを計画する時に必ず役立つはずです。

※ただし、コーヒーは十分な油脂を含ませ、カップの側面が直線になっていることが条件です。”



今度やってみよう。





2012年3月28日水曜日

IMAX映像



(大型画面+ブルーレイディスク)× IMAX映像 = 空前絶後の映像体験。
ダークナイト・ライジングもIMAXシアターで観たいんだが・・・。



2012年3月27日火曜日

クローネンバーグ監督最新作「コズモポリス」


 デヴィット・クローネンバーグ監督最新作「コズモポリス」のティーザートレーラーを発見。主演はトワイライトの男の子らしい。



 これは・・・現時点で既にカルト化の予感!!クローネンバーグらしく、当然ながらエグ描写あり。でもかなりスタイリッシュな映像でシビれる。これは楽しみだ。




2012年3月26日月曜日

ディカプリオとタイタニック 因縁は続く


先日、タイタニック3Dの予告編を見て、ふと思った。



 今年もデカプーは、あれだけ渇望するオスカー像に届かなかった。
イーストウッド作品に出演できて、「今回こそ・・・!」と希望と執念をもって撮影に望んでいたのに、だ。彼の落胆は大きいだろう。

 しかも、そんなタイミングで公開されるのが、彼の不遇ジンクスの決定打となったタイタニック。人々には、再び「レオ様」の王子様イメージが焼き付くことだろう。多分、収益もソコソコ稼ぐ。何せ同じ内容の3D化なのだから製作コストは極小だもの。

 結局、「タイタニック俳優」としての呪縛から逃れられないデカプー。彼の胸には、どんな思いが湧いているだろうか。



2012年3月25日日曜日

ティム・バートン監督「ダーク・シャドウ」 その2


予告編を発見。ティム・バートン監督最新作の続報。



 お気に入りのエヴァ・グリーンが大活躍や。007カジノ・ロワイヤルの際には「007史上最高のボンドガール」だとして高評価を得た女優。顔立ちはかなりエグイ系の美人。でもヴェスパー・リンドを演じた時には、芯の強さと女性なりの脆さを併せ持つ雰囲気を見事に表現していて、今でも感動が思い起こされる。ダニエル・クレイグとエヴァ・グリーンのコンビは、永遠に記憶に残る007コンビになるだろう。ま、今回の映画はコメディータッチになる雰囲気なので、彼女がどれだけ力を発揮できるか未知数だけども・・・。
 今年はユアン・マクレガーとの共演作「パーフェクト・センス」の公開もあり、久々の当たり年になってくれるとうれしい。

 ジャッキー・アール・ヘイリーが出ておりますな。ちょっと楽しみ。
リトル・チルドレンの性的異常者や、ウォッチメンのロールシャッハのイメージが強い。本作では多分ギャグキャラとして通す?演技力はピカイチなので、期待大。

 そして、どうしてクロエ嬢はいつもこんな役になるんだか。完全にキック・アスの延長線上だね。ドS女優一直線や。スーパー8のエル・ファニングみたいな清純派とは全然違う毛色で頑張っております。


 ついでに、ジョニー・デップとミシェル・ファイファーにも期待しておこう。


2012年3月23日金曜日

オバマ大統領の手話


アメリカ・メリーランド州で開かれた、とある集会での出来事。




聴覚障害の参加者「(手話)あなたを誇りに思う。」

オバマ大統領 「(手話)ありがとう。」



オバマ大統領は、以前から基本的な手話をマスターしていたんだそうだ。
かっこよすぎる・・・。




改革のスピードがスローペースで、成果がなかなか上がっていないけど、
次の4年間も引き続き大統領としてがんばってほしいもんだ。

はたして大統領選挙の行方は・・・。


2012年3月22日木曜日

「鎮三山の黄信」の発言



「 真実とは 問いかける事にこそ、その意味もあれば価値もある。」

(托塔天王・晁蓋の教え)

2012年3月21日水曜日

iPhone(およびiPod touch)の三大ミステリー


不思議1:購入から1年を超えると、電源ボタンが壊れる。

不思議2:購入から1年を超えると、ホームボタンが壊れる。

不思議3:購入から1年を超えると、ついうっかり液晶保護ガラスにヒビを入れてしまう。


異論は認める。

2012年3月20日火曜日

マーティン・スコセッシ「ヒューゴの不思議な発明」


ヒューゴが頑張ったのは認めるけど、ヒューゴは発明したわけではないだろう!

・・・という映画「ヒューゴの不思議な発明」を見た。


ストーリー −allcinemaより抜粋−
1930年代のフランス、パリ。父を亡くした少年ヒューゴは、駅構内の時計台に隠れ住み、時計の整備をしながら孤独な毎日を送っていた。そんな彼の心のよりどころは、父が遺した壊れたままの不思議な“機械人形”。その修理に悪戦苦闘していたヒューゴは、おもちゃ屋で万引きを働いて店主の老人に捕まり、人形について書かれた大切な父のノートも取り上げられてしまう。そんな中、ヒューゴは老人の養女イザベルと仲良くなり、一緒に機械人形の秘密を探ってゆくのだが…。

 本作は、今年のアカデミー賞において「アーティスト」と作品賞を争った作品。両作ともに、「過去の映画への愛に満ちた作品である!」として評され、各種映画賞ではデッドヒートを繰り広げていた。そんな評判もあって期待して見に行ったものの、それほど楽しめず、拍子抜けしてしまった。

 確かに愛に満ちた感動のラストを迎えたけども、どうもストーリーのスジとしてしっくり来ない。多分、「機械人形の復活」と「映画愛」とのリンクが弱いからじゃないかと思う。まぁそのへんは原作に従わざるを得ない点だ。まぁ大目に見よう。問題なのは、序盤からクライマックスへ突入するまでの展開が単調で、山や谷の作りが乏しいように感じた点だ。あれは観ていてちょっと辛かった。編集やシナリオがちょっと悪かったなぁ。

 映画を見る際、テーマ性は作品の魅力として評価されるべきで、その点において本作はピカイチであることは紛れも無く事実だ。3D映画としての表現も良かったし。
 自分た楽しめなかったのは、テーマへの共感が足らなかったからかもしれないね。そんなに映画を愛していないのかな?

 キャストは良かった。ヒューゴを演じるエイサ・バターフィールド君が良かった。はともかく、青く透き通った純粋な眼がたまらない。ヒューゴの親父役はジュード・ロウ。とっても短い時間の出演だったけども、機械イジリが好きな時計職人としての雰囲気が溢れ出ていて、かなり胸に残った。クロエ・モレッツは、キック・アス時代とは比べ物にならないくらい成長してしまったのに、未だにカワイイんだホント。クリストファー・リーはサルマンやドゥークー伯爵の演技でしか記憶が無く、今回の善人役には違和感が・・・。





2012年3月19日月曜日

リドリー・スコット監督「プロメテウス」


エイリアンの前章譚。
この世界観たまらん。
なんて気持ちの悪く、不気味で、ゾクゾクする予告編なんでしょうか。


元祖ドラゴン・タトゥーの女ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、シャーリーズ・セロン、ガイ・ピアース、パトリック・ウィルソンなどなど。


2012年3月18日日曜日

ティム・バートン監督のダーク・シャドウズ

ティム・バートン監督とジョニー・デップのおなじみコンビ最新作「ダーク・シャドウズ」がやばい。

さらにお馴染みのヘレナ・ボナム・カーターに加え、クロエ・モレッツ、そしてエヴァ・グリーンが参加するんだべ。

これは見なければ。

2012年3月17日土曜日

ユーザ視点のガイガーカウンター


Makeの記事で、こんな記事を見つけた。

なんでもこれ、ガイガーカウンターだそうだ。
一目見た時は、オモチャの端末かと思った。

<抄訳>
 東日本大震災から一年、Makeのアドバイザー団体メンバーのバーニー・ファンが、一般市民にも使いやすいガイガーカウンターを作り上げた。彼は、公平中立な放射線モニタリングデータに基づく、現地農作物の信頼性を確立するためのオープンなセンサーネットワークの確立を目指す団体「SAFECAST」にインスパイアされていた。

 ”農作物を放射線モニタリングする上での課題は、そもそもモニターが研究所向けに作られているところだ。精密で信頼性も高いのだが、大型で高価、しかも使いにくい。計測値の意味を理解するには、原子核物理の学位が必要だ。さらに問題なのは、今回のような事故において、放射線監視が重要であることが、民間人の注目を浴びず、「時既に遅し」である点だ。
 そのため私は、直感的で使いやすい新しいガイガーカウンター挑戦に着手した。十分に洗練されていて、民間人でも毎日自然に持ち運べるんだ。”

 彼は、プロトタイプをデザインするまでの経緯や初期デザイン等を、自身のサイトで公開している。彼は2つのプロトタイプを、PCB、組立、CNC切削加工すべて含めて3000ドル以下で作り上げた。


原発危機を機に立ち上がったSAFECASTの構想は非常に面白いと思う。

 「原発危機のせいで、放射線を気にしなければならないハメになった」と言われると確かにそうだし、嫌な事だ。本当に嫌な事だ。
 で、その反面、放射線はそもそも常時全地球に降り注いでいて、地方ごとの標高や気候によって変動する。しかも大なり小なり人体に影響を与えている。これは原発危機をキッカケに思い知らされた現実であり、紛れも無い事実。
 じゃあ例えば、花粉予測と同じ感覚で、放射線監視・予測が行われる未来というのはどうだろうか。僕らに根付く、放射線への不理解や恐怖が克服されて、オープンな監視システムが出来上がれば、いわゆる「これで世界は少し良くなる」ってことじゃないだろうか。
 放射線監視の必要が無い世界こそ平和な世界だと主張する人がいるかもしれない。でもそれは、たまたま地球上の放射線レベルが、我々に適したレベルに落ち着いているからこそ言えるだけであって、この先の自然環境がどのように進化するかは、地球科学と宇宙物理学に委ねるしかない世界だ。46億年生きた地球にとっては、基準となる気候・環境なんて無いんだから。
 これは温暖化問題に共通する点だけども、問題の本質は「地球環境を破壊すること」とか「現在の気候から逸脱すること」というより、「我々の住めない地球になってしまうこと」だよ。もし地球に巨大隕石が落ちてきて氷河期になったら、人類は地球環境をいじくって人間や動物の住みやすいように改変させるはず。だからモニタリングは必要なんだ。

 原発容認・反対かどうかは全くの別問題としてね。


2012年3月16日金曜日

ロード・トゥ・パーディション




 トム・ハンクス主演「ロード・トゥ・パーディション」は、2002年に日本公開された、ギャング映画。いままでずっとイイ人の役を演じることが多かったトム・ハンクスが、珍しくダークな役を演じている。
 このとき、前作「キャスト・アウェイ」でアカデミー賞にノミネートされたばかりの絶頂期。「アメリカの良心」との二つ名を持つ屈指の善人トム・ハンクスは、その持ち前の演技力で、自らの印象と真逆とも言える役柄に挑戦した結果・・・全く似合っていなかった!!

本作は、名だたる名俳優、そして名将の集った作品。





主演にトム・ハンクス、









その脇を固めるのは、最近お亡くなりになってしまったポール・ニューマン、










ジュード・ロウ、










監督はサム・メンデス!








これらが、予告編で、大々的にアピールされていた名前。









でもヒッソリと、こんな人も出ていました。








 この映画での、ダニエル・クレイグの醸しだすキモさは異常だった。この映画が劇場公開された時、この俳優は絶対に悪役専門だ!大っ嫌いだ!って心底思ってた。
 それが今や、世界で最もセクシーな俳優として上位にランクインするまでに至る。ロード・トゥ・パーディションでの雰囲気は、完全に演技だったのね。
すごいよクレイグ。
 年末公開の新作007「スカイフォール」で、ダニエル・クレイグはサム・メンデス監督と再び組むことになる。はたして・・・?



だがしかし、なぜリスベットをフッた?

2012年3月15日木曜日

iPod Touchのホームボタン


いよいよ「全く効かない」の領域に突入。
これはもう修理に出すしかないね・・・。

iOS製品のホームボタンや電源ボタンの故障は、かなり頻繁に起こるんだとか。それがわかってるなら、もう少し耐久力のあるボタン使ってくれよ・・・。

以前、知人のiPhone3GSで電源ボタンの故障が起こっていたため、「電源ボタンを頻繁に押すと故障の原因になるのか」と思い、ホームボタンを多用していた。そしたら、逆にホームボタンの方が先に寿命を迎えたわけか。そういうショボイ部品を使うトコロはAppleの嫌いなところだ。

あー、ショック。


2012年3月14日水曜日

子供時代にマネをした必殺技

子供時代にマネをした必殺技 TOP5









● かめはめ波 >ドラゴンボール・孫悟空











● 霊丸(レイガン) >幽☆遊☆白書・浦飯幽助










● アバンストラッシュ >ダイの大冒険・ダイ











● メドローア >ダイの大冒険・ポップ











● 牙突(左片手平突き) >るろうに剣心・斎藤一





公式に牙突を放つ事ができるなんて、なんて羨ましい男なんだ江口洋介。














というわけで、実写版るろうに剣心・特報第二弾公開。



「おろ」って・・・。

実写化するなら追憶編にしろとあれほど・・・。


2012年3月13日火曜日

読書

会社帰りにカフェに寄って読書。
たまにはいいんだんだな。

2012年3月12日月曜日

スピルバーグの「戦火の馬」


スティーブン・スピルバーグ監督の最新作「戦火の馬」を見た。

 見たのは昨日だけども、感動があと引いていて、今でも余韻を感じられる。ゆえに、評価は鑑賞後ジワジワと上がっている。



ストーリー−allcinemaより抜粋−
”第一次大戦前夜のイギリス。農村の小さな牧場で一頭の仔馬が誕生する。その仔馬は貧しい農夫テッドによって競り落とされ、少年アルバートの家にやってくる。そしてジョーイと名付けられた仔馬は、アルバートの愛情を一身に受けて、賢く気高い名馬へと成長していく。しかし戦争が始まると、アルバートが知らないうちにイギリス軍へ売られてしまうジョーイ。やがて、ニコルズ大尉の馬としてフランスの前線へと送られたジョーイは、ついにドイツ軍との決戦の時を迎えたのだったが…。”


本作の一番の魅力は映像美だと思う。
 静かな田舎の美しい風景が繰り返し映され、都度心を奪われてしまった。今でも心に残ってる。序盤における主人公アルバートと馬のジョーイの心の交流は、観ていてとても純粋かつ愉快。後に訪れる別れを、より辛いものにしてくれている。
 逆に動乱の戦場は、迫力と臨場感の溢れた映像を撮っている。さすがはプライベート・ライアンを獲ったスピルバーグ。ノルマンディー上陸作戦ほどエグイ映像ではないものの、銃弾と大砲の轟音、倒れていく兵士、駆け抜け抜けては塹壕に隠れる瀕死の兵士など、さすがと言わざるを得ない。(悪く言えばデジャヴなんだが)調べたら、撮影監督もプライベート・ライアンと同じで、戦火の馬でアカデミー賞の撮影賞にノミネートされていた。なるほどね。


 ストーリーは、王道ドストライク。(悪く言えば陳腐)ただし、効果的な演出が全体を覆っているので、予想通りのストーリーにもかかわらず、ワクワクしながら澄んだ心で体験することができた。しかも軽めの伏線が適度に撒かれており、感動をより深いものにしている点も好感が持てる。(ちょっと軽すぎる気がしなくもないが。)
 ただ、常に緊張が続くわけではないので、のどかなシーンは少し退屈になるかもしれない。ジャンル的に仕方ないのかも。若い人よりは、割りと年齢の高い層の人達に支持されるだろうな。

 もしスピルバーグが、1998年にプライベート・ライアンではなく戦火の馬を撮っていたなら、スピルバーグ監督は戦火の馬でアカデミー賞を撮っていたと思う。(多分、撮影監督も。)戦争映画として、そして「敵も味方も、同じ人間」というテーマとしても共通点が多く、どうしてもプライベート・ライアンと比較されるのが否めない。多分、本作はプライベート・ライアンほど映画史上に名を残すわけではないだろうな。残念だけど。

 そういえば、マイティ・ソーとアベンジャーズで「ゲス野郎・ロキ」を演じるトム・ヒドルストンが「超絶善人・ニコルズ大尉」として出演してて違和感を感じた。「コイツは絶対ジョーイを裏切るぞ!」って思ったけど、最後まで善人だったなぁ。


2012年3月11日日曜日

ルーニー・マーラは主演!(笑)「ドラゴン・タトゥーの女」


デビット・フィンチャー監督最新作「ドラゴン・タトゥーの女」を見てきた。

 この映画はどんな話か?
 それはね、優秀な調査能力やハッカースキルを持ちながらも、幼少からの不幸な生い立ちから人との衝突を繰り返し、不器用に生きることしかできないまま大人になった女性「リスベット」が、ある事件をキッカケに、とある男性知り合い、初めて「心からの信頼」と「淡い恋心」を他人に抱くことができたものの、その気持ちは辛い結末を迎えてしまう、という切ないラブストーリーだよ。

異論は認めない。



下のYouTubeは本編のオープニング映像。
ダニエル・クレイグが出演しているだけに、観ていた時は007を思い出した。


ストーリー−allcinemaより抜粋−
"スウェーデンの社会派雑誌『ミレニアム』を発行するジャーナリストのミカエルは、大物実業家の不正告発記事が原因の名誉毀損裁判で敗訴し窮地に陥っていた。そんな時、国内有数の企業グループの元会長ヘンリック・ヴァンゲルからある依頼が舞い込む。それは、40年前に彼が我が子のようにかわいがっていた一族の少女ハリエットが忽然と姿を消した迷宮入り事件の再調査というもの。やがて、調査が暗礁に乗り上げたミカエルは、ヘンリックの弁護士から社会性はないものの驚異的な情報収集能力を持つ小柄な女リサーチャー、リスベットを紹介される。実は、ミカエルがこの一件を任されるにあたり、信用に足る人物か、その身元調査を担当していたのが彼女だった。こうして、2人は手分けをしながら事件の真相を追っていくこととなるが…。"


<ネタバレ注意>

 ゴスっ娘リスベットに、まさかツンデレ要素があったとは・・・。ミカエルに対して少しだけ頬を緩ませる表情を見せた時、かわいすぎて死ぬかと思った。

 ソニー・ピクチャーズの映画といえば、出演者の使用するガジェットを毎度ソニー製にさせているのに、リスベットにもミカエルにもVaioではなくMacを使用させていた。リスベットが序盤に使用している旧式Macは自分と同型だったので妙にうれしい気持ちになった。これはなぜだろう、原作がそうなのか、監督の指示か・・・。ただ、携帯電話はソニー・エリクソン製の携帯電話だったな。

 で、内容はというと・・・これが何とも評価に難しい。ざっくり言うと、
ストーリーが▲、
演出・撮影・脚本は◎。
合計で◯評価・・・となってしまう。

 なぜストーリーが▲か? 正直、「なんとなくアリガチな展開」と感じてしまったから。「見も凍る真実」と言われたけども、こんな話は別の何かの映画でも見たなぁ、という既視感が拭えなかった。ゆえに刺激が弱く、とても残念。
 ストーリー(特にラスト)は、原作およびスウェーデン版と異なるものであるとの情報があり、明らかに本作の責任だと言わざるを得ない。でもこれ、そもそもこういう系統が得意なデビット・フィンチャー自身が、セブン、ゲーム、ファイトクラブを通してオーディエンスへ耐性をつけさせてしまったんじゃないか?だからこれまでの感覚で同じレベルのストーリーを提供されても観客はもう驚かない。因果応報ってやつだ。

 とはいえ、映像技術については文句なし!素直に「メチャかっこよかった!!」。脚本も、結末には不満足なれど、ディテールやテンポは素晴らしく、2時間半の上映時間の間、全く飽きずに観ることができた。そして、いちいちミカエルやリスベットを映す映像が美しくて、かっこいい。
 ミカエルとリスベットの共同調査の際、ミカエルの調査活動の合間にリスベットがバイクでただ疾走しているシーンを挟み込んでいるところがあった。あれはミカエルのカットの合間にスピード感のある映像を挟み込むことで、単純な調査活動にスリルを与えつつ、調査が進展していることを観客に意識させるためのメタファー的な役割を果たしている。そしてそのバイク映像がとってもカッコイイんだな、これが。妙に頭に残ったシーンだった。





 うわさのモザイク、あれは酷い。フィンチャー監督、そしてルーニー・マーラへの完全なる侮辱だ。
 もしあのモザイクを外したならば、日本配給側の立場から、多分R18指定にしなきゃいけないんじゃないかな?
で、R18指定映画になると、学生観客が見込めないだけでなく、「怖い映画、刺激の強い映画」としての外面を持ち合わせることになり、ライトな一般客に悪い印象を与え、母数がガクンと減ってしまう。すなわち、儲けが減るわけだ。なので映画館は上映を嫌がり、全国的な公開館数は限定されてしまう。
 とはいっても本作は、紛れも無く”世界的超絶話題作”だ。カルト的人気を誇る鬼才デビット・フィンチャー監督の最新作で、かつ、史上最高の007とも噂されるダニエル・クレイグが主演、さらには新鋭ルーニー・マーラに至っては、その素晴らしい演技によりアカデミー賞ノミネートが見込まれる(実際ノミネートされた)。つまり、買付け料金が高い!!ヘタな上映をすると、興行的失敗になり、儲けが減ることが予想される。
 だから、R15までレーティングを落として客数・利益を稼ぐかわりに、作品にモザイクを上書きするという「作品に手を入れる行為」に走ったわけだ。

 つまり、一番悪いのは日本の配給会社でも映画館でもなく、日本の映倫もしくはそれより上層の連中によって作られた「保守的でクローズドな体制」ってことだ。「表現行為としての映画」の尊厳を軽視し、余計な制約をつけることを厭わない、悪質な侮辱的侵害とさえ言える。

 現状、こんな枠組みで年齢規制が成されている。<審査レート>
クソったれ!こんな大雑把な基準では、不必要なものに余計なレーティングを与えることになるだろう!!グロ映像が見たくない人だっているだろうから、何かしらの表示は必要かもしれない。でも、この形がベストか?これじゃあ表現者達はみんな怒っちゃうよ?


2012年3月10日土曜日

プロジェクションマッピング


こんなツールを作ってしまうとは。

素晴らしい。




映画泥棒


どんな映画を見るときにも見せられる「映画泥棒」コマーシャル(?)。
いつか、この被り物を作って、真似っ子するパフォーマンスをしてみたい。



旧バージョンは懐かしいな。

2012年3月8日木曜日

「iPad」でいいじゃない!


 意表をつかれた「無印iPad」戦略。


「iPad3がもうすぐ発表だ!」
「いやいや、次はiPadHDって名前になるらしいぞ?」


 これまで、全世界の各種メディア、テック系ジャーナリスト、そしてAppleファンらは、こぞって新名称の予想合戦を繰り広げてきた。それだけに、今回の発表はみんな「ズコーッ」ってなったようだ。「そんなのアリ!!?」ってね。

 でも、そんなものは当然に「アリ」さ。悩むまでもない。

 だって、じゃあ今キーボードの右隣で充電中のiPod Touchは、iPodTouch4か?
僕が車載しているiPod nanoはiPod nano2か?
今ブログを打ち込んでいるMacBookProは、MacBookPro 1か?
CPUアップデート版は1.5か?Early2007とLate2008モデルは違うのか?
ユニボディ版から2になるのか?


まぁ結論は「そんなの関係ねぇ!」ってことでね。


 第2世代iPhone「3G」が発売されて以来、こんな感じの「名称予想合戦」が恒例行事になっていたので、文句と言うより単なる「拍子抜け」だよね。だから、頭にキテるなんて人はそんなにいないんじゃないか?そりゃ前世代が「2」の名を受けていて、しかも並行して販売されてる事実は混乱を招くかもしれないけど、背景にあるモロモロの事情を鑑みると、それも已む無しじゃないかな?
(iPad2の名前を全部削除しようとすると、外箱まで手を入れなきゃけない。そしてそうは言っても、Appleとしては廉価版として旧式をラインナップさせておくことで群雄割拠のタブレット市場を征服したいわけだし。対Kindleの切り札?)

ああ、Retinaディスプレイを早く観たい。


2012年3月7日水曜日

あと3時間後、Appleが新型iPadを発表


明日、朝起きたらiPad3(iPadHD?)の全容が明らかになる。

Appleの製品発表前夜は、いつもドキドキする。

まるで、クリスマスにサンタクロースのプレゼントを期待しながら寝ていた子供時代を思い出す。


2012年3月6日火曜日

漫画「ARMS」について


昔、週刊少年サンデーで連載されていた漫画「ARMS」。数々の名シーンや名言を残し、今尚多くのファンを魅了する快作。この中で、序盤の宿敵「キース・レッド」が主張した持論が、今でも心に突き刺さって離れない。



キース「追い詰めた敵を、更なる恐怖へ突き落とす為に、与えるべきは何だと思う?」

部下「絶望、でしょうか?」

キース「いや。・・・希望だよ。」




 弱者が今にも敗北せんとする状況の中で、もし希望の光が微かに挿し込んだなら、それは並以上の輝きをもって、弱者に期待を持たせる。・・・そして、もしその希望が潰えてしまったなら、その反動は弱者の心を凄まじく深くえぐり取り、ただ敗北する以上に精神的ダメージを受ける。そう、立ち直れない程の痛みを伴うダメージを。

だから、生半可な希望は、災いの元だ。

2012年3月5日月曜日

残念無念な「J・エドガー」

レオナルド・ディカプリオ。

タイタニック以後、「レオ様」等とあだ名で呼ばれながらアイドル俳優の道を突き進んだ、何とも幸運な男。そして同時に、そのアイドルイメージが災いし、演技の評価はなかなか得られず、今やあだ名は「デカプー」等とジョーク交じりのネタに変わってしまった不運な男。

彼は今、ヤリ手実力派俳優として認められる日を何より渇望する。

しかし、遂に、デカプーは最大のチャンスを迎えた。

共演にナオミ・ワッツとジュディ・デンチ、
脚本に「ミルク」のダスティン・ランス・ブラック、
そして監督にクリント・イーストウッド御大将を迎え、
ガチでオスカーを狙いに行った話題作「J・エドガー」。

この「尋常ではない布陣」に、映画公開前から大きな注目が集まっていた。


・・・。


しかし、フタを空けてみると、評判はそれほど良くならず、デカプーはオスカーにノミネートすらされなかった。


ああ、なんて不運な男!!





”生の終盤に差し掛かったFBI長官J・E・フーバー。彼は回顧録の作成にとりかかり、部下に書き取りを命じて語り出す。1919年、司法省に勤務していたフーバーは、長官の目に留まり、新設された急進派対策課を任される。これを機に、秘書室のヘレンにプロポーズするが断られてしまう。それでもフーバーは、彼女を個人秘書として生涯にわたって雇い続けることに。その後、FBIの前身である司法省捜査局の長官代行となったフーバーは、片腕となるクライド・トルソンと秘書のヘレンだけを信頼し、自らの信じる正義を実現すべく、捜査の近代化と権力の集中を進めていくのだが…。”


まぁ、ノミネート漏れも仕方ないのかな、と思ってしまった。これは難しい。感情移入がホント難しい。
 フーバーの理論である「悪の根絶、監視、弾圧」は、表面的には正しいものの、それは結局のところ、歪んだ己の本心からくる反動だった。しかもそれは客観的悪ではなく、自分の感情が先行してる。この感覚、なかなか理解するのは難しいよ。
 それに、アメリカの歴史的背景が前提知識として入っていないと、ストーリー展開にすらついていけなくなってしまう。面白いんだけども、その面白さを全て汲み取り切ることができなかった。その自覚症状も感じた。ああ、フラストレーション。

 ただ明らかに文句をつけたいところは、ある。それは特殊メイクだ。デカプーとナオミ・ワッツの老人メイクが、何とも嘘クセェ!すごく本物っぽいのに。まるでロボット開発における「不気味の谷現象」のようだ。ジュディ・デンチのリアル老人に比べたら、もう明白。(まぁジュディ・デンチは演技じゃないが。)
観ていて思い出したのが、志村けんと加藤茶の老夫婦コント。あれそっくり(笑)
 こういう場合、普通なら老人キャストを別で設けるんじゃないか?あんなメイクさせてまでデカプーにやらせようってのは、さすがに無理があったんじゃないか?もう、デカプーの「オスカー獲りたい!」っていう目的が先行しすぎだよ。

ただ、デカプー曰く、

「オスカーがいらない俳優なんていないよ。もしそんな事を言っているやつがいたら、そいつはウソつきだ。」

とのこと。ま、ここまで言われてしまうと、逆にカッコイイかな。

 デカプー等と言うと嘲笑しているように聞こえるけど、自分はデカプーが好きだ。デカプーが好きだ。デカプーが大好きだ。彼はアビエイター以後、素晴らしい作品に出演し続けてる。キャッチミー〜とかディパーテッドとかインセプションとかね。中でもベスト・デカプーな作品は、ブラッド・ダイヤモンド。彼の個性が引き出された、素晴らしい演技だった。これを観た時、「ああ、いつか彼にはオスカーを獲ってほしい。」と心の中で思ったもんだ。
隠れた名作「ギルバート・グレイプ」は観ていないのでお恥ずかしいのだが。



 そういえば、デカプーの相方の訳として、「アーミー・ハマー」という俳優が出ていた。風貌と声から、「ソーシャルネットワーク」のウィンクルボス兄弟役の人だとすぐにわかった。キレイで精悍な、如何にもワスプ的な顔立ちと、ドスの効いた低い声が、何ともミスマッチで、忘れられない。しかも今回のホモ演技はなかなかよかった。デカプーを見る目がいちいちエロかったからだ。今回は分身の術を使っていなかったけどもね(笑)




2012年3月4日日曜日

深堀隆介さんの金魚


アーティストの深堀隆介さん。
レジンキャストを何段階かに分けて入れ物の中で固め、層の途中で金魚の絵を書く手法をとっている。まるで本物の金魚が水の中を泳いでいるように見える。



カンバスじゃないし、
造形でもないし、
メディアアートでもない。
テクニックに制約なし。

2012年3月3日土曜日

Windows8のバージョンについての記事





なるほど。

ジョブズはOSX10.5の発表の時、WindowsVista(というよりバルマー)をボロカスのごとくネタにしまくった。これはもう抱腹モノのkeynoteだった。



"ベーシック版。お値段、129ドル。
プレミアム版。お値段、129ドル。
ビジネス版。お値段、129ドル。
エンタープライズ版。お値段、129ドル。
そして!これらすべての機能を備えたアルティメット版!お値段、129ドル。

・・・ま、みんなアルティメット版を買だろうね。

つまり、1つのバージョンのLeopardに全ての機能が詰まっていて、お値段は129ドルなのです!"


Microsoftの考えの背景には、ちゃんと事情があったのね。
ちゃんと崇高な考えでビジネスしてるんだなー。・・・まぁ、当たり前か。

(今見ると、129ドルって高けー!! )


2012年3月2日金曜日

アベンジャーズ最新予告編


アベンジャーズ最新予告編が公開。興奮してニヤケが止まらない。



今回の予告はハルクがいつもいいとこ持ってく感じ。
半ベソのスカーレット・ヨハンソンがいいっす。ホントに。
そして今回もなぜか・・・いや、やっぱりアイアンマンが一番かっこよくなってしまっている。

2012年3月1日木曜日

現実を見ること。


 今日見つけた、胸に刺さる記事。


”結論は
・戦略ミスを認めたくない経営者
・技術で負けたと認めたくないエンジニア
・不勉強なマスコミ
・日本の科学技術に誇りを持っている一般国民
誰も誇りが傷つかずに、あれは仕方がなかったんだで終わらせられるもんね。
でも、実際は『韓国企業は高度な技術を要する分野で日本企業を打ち負かし、倒産に追い込んだ』というのが事実なんじゃないだろうか。”


誰もが、見たくない現実に目を向けない。
で、目を向ければいいってもんじゃなく、目を向けた途端、悲観・諦観に押し潰されてしまう人もいる。

人の心ってなんて弱いんだろうか。