2012年5月4日金曜日

予習必須「裏切りのサーカス」

ゲイリー・オールドマンがオスカー主演男優賞にノミネートされた「裏切りのサーカス」を遂に鑑賞、元MI6諜報員が原作の小説「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」の映画化。



<ストーリー> ーallcinemaー
 英国のMI6とソ連のKGBが熾烈な情報戦を繰り広げていた東西冷戦時代。英国諜報部<サーカス>のリーダー、コントロールは、長年組織に潜んでいるソ連の二重スパイ“もぐら”の情報を掴むも独断で作戦を実行して失敗、責任をとってサーカスを去る。コントロールの右腕で彼とともに引退した老スパイ、スマイリー。ある日、英国政府のレイコン次官から“もぐら”を突き止めろという極秘の指令が下る。ターゲットとなるのは、コードネーム“ティンカー”、“テイラー”、“ソルジャー”、“プアマン”という4人の組織幹部。さっそく信頼を置くかつての部下ピーターらと組み、調査を開始するスマイリーだったが…。


 鑑賞前の事前情報として、「登場人物の予習をするべし」との助言があったので、公式ページで人物相関図を確認してから映画に挑んだ。・・・しかし失敗だったのが、容疑者の名前を、ティンカー、テイラー、ソルジャー、プアマンというコードネームで確認してしまったこと。本編ではコードネームはあまり使われず、あくまで本当の人物名で語られることが多く、結局は話についていくのがやっとになってしまった。

 話のなかに銃撃戦らしい銃撃戦は無く、あくまで「見えない敵との頭脳戦」が中心。静かで、地味で、それなのにカナリ怖い作品だった。これがリアルなスパイなんだろうか。
 アカデミー脚色賞にもノミネートされている作品だけに、退屈はしないのだけれど、1つの会話の中の情報量が多い割に、次々と話が展開していってしまうところが正直辛かった。もう少しゆったりとしたテンポにしてほしかったかも。でも多分、小説のストーリーをしっかり伝えるには必要な措置だったのではないかと。実際面白かったし。その状況に加え、日本語字幕量より、実際に俳優がしゃべっている内容量の方が明らかに多かったので、字幕向けに内容を相当シンプルにさせていたのが伺える。日本語吹き替えで改めて見てみたい作品だった。

 この映画を見ると、諜報活動(インテリジェンス)の世界のエグさと奥深さの一端を垣間見ることができる。国家機密の前においては、事実は往々にして残酷となり、人は翻弄されていくしかないのだろう。・・・なんていう話のはずなんだけど、話についていくので精一杯で心から楽しめず、悔しい限り。

スイーツ女子好みのオシャレ映画には程遠く、出演しているキャストもオジサンばかりで地味。しかも話が難解とくると、なかなか上映する映画館が無いのも頷ける。


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