2011年12月25日日曜日

みんな、ただ寂しいのさ。

昨日の夜は外出していたんだが、その際の帰宅ついでにコンビニへ立ち寄った。

駐車場にクルマを駐車してエンジンを止め、クルマを降りた。
そのとき、近くから猫の鳴き声が聞こえてきたのに気づいた。

周りを見回すと、店舗建屋と倉庫物置のスキマから、一匹の猫がこちらへ顔をのぞかせていた。体はほとんどスキマに隠れていたので、ほんとに文字通り「顔だけのぞかせている状態」だった。そして、こちらを見つめながら鳴き続けていた。

「にゃー にゃー にゃー」

(か、可愛いい・・・。)

思わず近寄ると、白い毛で全体を覆われ一部だけ黒の毛をあやしたホルスタインのような見た目の、若干太り気味な猫がそこにいた。しかし近寄った途端、怖がってスキマの奥に直ぐ様逃げてしまった。・・・がっかり。




ところが、買い物を10分程で終えて店を出ると、また同じ場所にあの猫が戻ってきていた。そして同じようにこちらに向かって鳴き続けた。

店からクルマに戻る前、またスキマに近づいたんだが、その時は猫は逃げず、ジーッとこちらを見つめ続けた。自分もそれに負けじと(?)猫の目を見つめ返した。
(か、可愛い・・・。)
自分は猫を撫でてあげたい衝動に駆られたものの、ぐっと堪えてその場を立ち去った。
(猫なんて、気まぐれな動物だ。俺はだまされないぞ!)
・・・なんて事をその時思っていたと思う。


ここでサプライズ。
クルマに乗車すると、なんとその猫がスキマから体を出してコチラの方へ近寄って来たんだ。そして、駐車場の真ん中で立ち止まり、静かにクルマにこちらの様子を伺っていた。俺はクルマのガラス越しに、猫の動きを暫く見ていた。
(そうか、お前も本当は寂しかったんだな。)
外に飛び出して猫を抱いてあげたくなった。でもその衝動をこらえ、クルマのエンジンをかけた。

エンジン音に驚いてたじろく猫。しかし、再びスキマに戻ることは無く、駐車場の真ん中で立ちすくんでいる。

駐車場を去る俺のミニクーパー。
猫はずっとこちらを見つめていた。



クリスマス・イブの夜、ちょっと切ない思い出ができたと共に、ちょっと真面目な人生訓をもらった。


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