2012年3月17日土曜日

ユーザ視点のガイガーカウンター


Makeの記事で、こんな記事を見つけた。

なんでもこれ、ガイガーカウンターだそうだ。
一目見た時は、オモチャの端末かと思った。

<抄訳>
 東日本大震災から一年、Makeのアドバイザー団体メンバーのバーニー・ファンが、一般市民にも使いやすいガイガーカウンターを作り上げた。彼は、公平中立な放射線モニタリングデータに基づく、現地農作物の信頼性を確立するためのオープンなセンサーネットワークの確立を目指す団体「SAFECAST」にインスパイアされていた。

 ”農作物を放射線モニタリングする上での課題は、そもそもモニターが研究所向けに作られているところだ。精密で信頼性も高いのだが、大型で高価、しかも使いにくい。計測値の意味を理解するには、原子核物理の学位が必要だ。さらに問題なのは、今回のような事故において、放射線監視が重要であることが、民間人の注目を浴びず、「時既に遅し」である点だ。
 そのため私は、直感的で使いやすい新しいガイガーカウンター挑戦に着手した。十分に洗練されていて、民間人でも毎日自然に持ち運べるんだ。”

 彼は、プロトタイプをデザインするまでの経緯や初期デザイン等を、自身のサイトで公開している。彼は2つのプロトタイプを、PCB、組立、CNC切削加工すべて含めて3000ドル以下で作り上げた。


原発危機を機に立ち上がったSAFECASTの構想は非常に面白いと思う。

 「原発危機のせいで、放射線を気にしなければならないハメになった」と言われると確かにそうだし、嫌な事だ。本当に嫌な事だ。
 で、その反面、放射線はそもそも常時全地球に降り注いでいて、地方ごとの標高や気候によって変動する。しかも大なり小なり人体に影響を与えている。これは原発危機をキッカケに思い知らされた現実であり、紛れも無い事実。
 じゃあ例えば、花粉予測と同じ感覚で、放射線監視・予測が行われる未来というのはどうだろうか。僕らに根付く、放射線への不理解や恐怖が克服されて、オープンな監視システムが出来上がれば、いわゆる「これで世界は少し良くなる」ってことじゃないだろうか。
 放射線監視の必要が無い世界こそ平和な世界だと主張する人がいるかもしれない。でもそれは、たまたま地球上の放射線レベルが、我々に適したレベルに落ち着いているからこそ言えるだけであって、この先の自然環境がどのように進化するかは、地球科学と宇宙物理学に委ねるしかない世界だ。46億年生きた地球にとっては、基準となる気候・環境なんて無いんだから。
 これは温暖化問題に共通する点だけども、問題の本質は「地球環境を破壊すること」とか「現在の気候から逸脱すること」というより、「我々の住めない地球になってしまうこと」だよ。もし地球に巨大隕石が落ちてきて氷河期になったら、人類は地球環境をいじくって人間や動物の住みやすいように改変させるはず。だからモニタリングは必要なんだ。

 原発容認・反対かどうかは全くの別問題としてね。


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