2012年1月3日火曜日

箱根の魅力、物語の魅力


箱根駅伝の人気は凄い。
昨日の往路に引き続き、復路も観てしまった。

思うに、箱根の素晴らしさは、選手のレースにおけるドラマだけじゃないよ。
中継の合間にアナウンサーが説明する選手の生い立ちや、箱根までの苦労エピソードが、人々の感動を誘うんだね。レース結果そのものも重要だけれども、その結果に至る背景を知ることで、その結果の持つ違う意味に気付く、というより意味づけをすることができる。これがすごく面白いんだ。

ドラマに必要なのは、結末だけじゃなく、十分に練りこまれた背景を描くことである、と改めて再認識した。


 そういえば、背景を描いてドラマ性を引き立たせようとして失敗した(と思われる)映画を最近見た。カウボーイ&エイリアンだ。主人公のダニエル・クレイグについては、ある程度は念入りに描いていたけれど、脇を固めていたハリソン・フォードとその部下、少年の成長は伏線演出が全く心に響かなかった。「あー、こういうことがやりたいんだろうな」というのはわかったので、ハズしている事実が余計際立っていて、本当に残念だった。
 あの映画の本質は「冒険」だと思うんだ。冒険とは「スリル」と合わせて「旅」の過程が描かれる。そしてその過程で、登場人物同士が互いの交流を介して、分かり合ったり成長したりする。で、カウボーイ&エイリアンには実際そういう狙いが見えるシーンが幾つもあった。でも全体としてそのシーンを俯瞰すると、感情が後に引いてこないいんだよ。あれはアクションシーンと登場人物のコミュニケーションシーンのバランスが悪いんだ。シーン一つ一つの間で感情がブツブツと区切られてしまうような感覚。あれは伏線の引き方、繋ぎ方が上手くない。だからテンポが悪く見えるわけ。
 多分あれは、原作の長編小説の見どころを掻い摘んでまとめることしかしてないからなんじゃないだろうか。もっと上手に脚色しないとダメだ。映画と小説は違うんだから、原作の改変を恐れず、上手にシーンを繋ぎ、アクションとドラマとの感情の引きをスムーズすることが大事だと思う。



以上、箱根の感想でした。。。(?)


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