2012年1月26日木曜日

「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロ


いま、アナタの注目している映画人は誰ですか? と聞かれたら、この人の話をしないわけにはいかない。




ギレルモ・デル・トロ。




この人、最近ではロード・オブ・ザ・リング前章の「ホビット 思いがけない冒険」の脚本を担当している。




 実はもともと「ホビット」は、ギレルモ・デル・トロが「監督」として抜擢されていた。

 でも、制作側のゴタゴタがあって、ホビットのクランクインがスケジュールから大きく遅れてしまい、デル・トロ監督の結んでいた他契約と期間がバッティングしたため、あえなく降板となってしまった。ま、結果的に前作に引き続きピーター・ジャクソン監督がメガホンをとることになったので、世間的には結果オーライなハッピーエンドとして落ち着いたんだが。



 でも個人的には、デル・トロ監督による「ホビット」が見てみたかった・・・。本当に。
なぜ自分はここまで彼に心酔してしまったのか。それは、ある映画がキッカケになったことが理由だ。
その映画とは、



「パンズ・ラビリンス」だ。







<あらすじ> - allcinemaより抜粋
”1944年のスペイン。内戦終結後もフランコ政権の圧政に反発する人々がゲリラ闘争を繰り広げる山間部。内戦で父を亡くした少女オフェリアは、臨月の母カルメンと共にこの山奥へとやって来る。この地でゲリラの鎮圧にあたるビダル将軍と母が再婚したのだった。冷酷で残忍な義父に恐怖と憎しみを募らせるオフェリア。その夜、彼女は昆虫の姿をした不思議な妖精に導かれ、謎めいた迷宮へと足を踏み入れる。そこでオフェリアを出迎えたパン<牧神>は、彼女が地底の魔法の国のプリンセスの生まれ変わりで、満月の夜までに3つの試練を乗り越えれば、魔法の国に帰ることが出来ると告げる。オフェリアはその言葉を信じて、与えられた3つの試練に立ち向かう決意を固めるのだったが…。”



 世間では、「ダーク・ファンタジー」と称されるこの映画。
 登場する怪物は気味が悪いし、ストーリーは暗いし、若干グロテスクな描写すらも映される。でも、これは紛れも無く「ファンタジー」だ。「ダーク」ではあれど「ファンタジー」なんだ。この絶妙なバランス感に支えられた世界観は、奇跡と言っても過言じゃない。

 この作品が影響を受けたとされるのが、「となりのトトロ」。本作のストーリーの下地には、あからさまと言えるほど、トトロの影響が色濃く投影されてる。現実世界と非現実世界の往来するところなんか、ガッツリ同じ。というか、監督も認めてるらしいしね。本作は、宮崎駿がアニメで描いた構想を、実写映画として完璧に描いてしまったところが驚異的と言える。

 目の前に写る絶望的な現実世界と、パンの示す希望の道。その先に少女を待っていたのは、やはり絶望でもあり、希望でもあった。哀しくもあり、美しくもあった。彼女にとって、幸福とは何だったんだろうか、語ろうとすると夜すら明けてしまう。

 この作品は是非、多くの人に見て欲しい。そしてそれぞれの人が、それぞれの人の価値観で、この作品を感じて欲しい。



・・・で、そんな「パンズ・ラビリンス」を作ったデル・トロ監督の手によってホビットが監督されたなら、どんな世界観になったんだろうか・・・と、今でも想像して止まないんだ。


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